2級建築士の製図試験は「図面を完成させることが出来るか」がまずは大きな壁となって来ます。
だからこそ、図面を早く作図するスキルを磨く必要がある訳です。

しかし逆に考えると、きちんとした完成図さえ提出することが出来れば、かなり合格に近づいたことになります。

■試験データは語る
過去の試験データを見てみると、2級建築士の製図試験合格率は50%を少し超えた位で推移しています。

学科試験を突破して製図試験に進んだ人の内、2人に1人は2級建築士の免許を取得出来ているんです。
これは結構な確率ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

製図試験を受験する方全員が、時間内に図面を完成させることが出来る訳ではないはずです。
そう考えると、時間内に図面を仕上げることが出来さえすれば、合格はグッと近づくのではないでしょうか。

もちろん与えられた条件を満たしている必要はあります。
そうすると「条件を満たしている完成図」であれば、本当に2級建築士の免許は手の届くところにある。

そんな気がしてきませんか?
私はそんなデータに励まされ、最初はダメダメだった製図の勉強を続けることが出来ました。

今の自分では合格には遠いけど、皆条件は同じ。
それを信じて黙々と自分のスキルを高めていったんです。

■採点は減点法
また、製図試験で作図した図面の中で完成図が採点される訳ですが、その採点は「減点法」で行われます。

完璧な図面しか合格しないのではなく、「この間違いで何点減点」などを積み重ねていって、最終的に規準点以上であれば合格となります。

もちろん「2階建てなのに階段がない」などの致命的な間違いは一発で不合格になってしまいますが…まあそうですよね。

しかし、そうでなければチャンスはあります。
そのあたりを考えて、実際の製図試験に挑みましょう。具体的にはどういう事かというと…

・必ず完成させる
・植栽などの細かい描写は後回しにする
・面積だけは必ず条件を満たすこと

細かいところにこだわってしまい、結局未完成になるのは本当にもったいないことですから、まずは絶対に完成図までたどり着きましょう。

細かい部分の未記載は減点ですが、未完成は不合格です。この違いは果てしなく大きいです。

文字をゆっくりと丁寧に書いていき最終的に未完成だった場合、その文字の丁寧さは誰も評価してくれません。

私も最初はきっちりと文字を書いていましたが、時間短縮を意識した結果あまり綺麗な字ではなくなりました。

最初に水平な線を引いて、その上に文字が乗るように…などと思っていたのですが、そんな時間はありませんでした。

そして本番では最高に時間がなくて、今までで一番汚い字で提出することになりましたが、何とか合格することが出来ました。

図面というのは、時間をかければその分どんどん完成度の高い図面になっていくものです。
でもそれは当たり前の話ですよね?

2級建築士試験の場合は「完成度」よりも「条件を満たして完成させる」ことを重要視していくことが大事です。

だからこそ、まずは作図のスピードアップに取り組みましょう、ということになる訳です。